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コリー達に囲まれて

ブリーダーとして、コリー達と共に過ごす日々の記録です。画像や動画や記事の無断使用を禁じます。


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Category: 繁殖   Tags: ---

コリー:出産と淘汰、そして真に賢い犬とは

ラフコリー専門ブリーダー
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2013年1月15日生と2月27日生の子犬のお申込みを
受付中です。「子犬情報」のページを御覧の上、お問合わせ下さい

子犬情報
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春ということもあって、犬種を問わず、交配情報が多いですね。真夏と違い
受胎の可能性は高いと思いますが、実は、この季節に交配した場合は、子犬の
飼育が最も大変な梅雨時の出産になり、しかも譲渡時期が8月のお盆あたりと
大型犬、しかも黒っぽい毛の多い、暑苦しい外観の犬種にとっては最悪の
状況になります。
とはいえ、人間にとって都合の良い時期にヒートが来てくれるわけではないので
我慢しなければなりません。うちの交配済みの3頭のうち、1頭でも受胎して
くれていれば、たとえ梅雨、真夏の飼育でもありがたいことです。

実は、今日、4月14日は、私が大手グループ犬舎を出て、自分の犬舎号を
使っての初めて繁殖を行ったミリオンの胎の誕生日です。6日遅れで4月
20日に生まれた凪の胎と2胎同時飼育となりましたが、生まれた子犬は
ほとんどがトライでした。

NETの無い時代だったので、数十万円も雑誌の広告費に費やし、ペット
ショップからの申し込みは全て断り、時間をかけ、全ての子犬達の譲渡先を
見つけました。今思うと、紹介による譲渡は一つもなく、インターネットも
無かったのですから、飼育も販売も本当に大変だったのです。

4月14日生の胎の母犬のミリオンは既に亡くなり、父犬のCANーCHの
ヒューイも亡くなり、子供たちも数頭は老衰で亡くなっています。
その亡くなった子たちの1頭、ジャック君のお宅へ、1月生のトライのオスが
行きましたが、1999年の4月14日から数えて、もう14年も経って
しまったんですねぇ。本当に時代が変わったと思います。


◆↓は若き日のミリオン。美しい柄のブルーマールでした。
MillionFuwari



妹が見つけてきた↓の動画は、大型犬のボクサーの出産シーンを収めて
いますが、こういうのがもしも1999年以前に見れたのなら、私は
飛びついていましたね。

http://www.youtube.com/watch?v=67Ixx0-wuKw

http://www.youtube.com/watch?annotation_id=annotation_994167&feature=iv&src_vid=0iuX0Nj7mqI&v=6ec5TGOuEmo

http://www.youtube.com/watch?v=Ogkvx0522wU

うちでも友人に頼んでVHSにお産の様子を収録したことがありますが、
部屋を暗くしていましたし、今のように優れたカメラやIT機器が出回って
いなかったので、これほど鮮明な撮影は無理でした。今のブリーダーたちは
参考資料が山ほど手に入って楽でいいですね。

でも、この動画に収められている出産は非常に安産で、子犬の育ちも良く、
母犬は子育てが上手だと思います。実際には母犬が新生児を踏み殺したり、
へその緒を短く咬み切り過ぎてお腹に穴が開いて縫合手術をしても助からず
死んでしまうとか、ブルテリアなどだと産んだばかりの子犬を噛み殺したり
ということも珍しくありません。

コリーの場合でも母犬が子犬の世話を焼き過ぎ、舐めまくり過ぎ、低体温で
死ぬということも起きます。へその緒ではなく他の部位を噛んだり舐めたり
していて、耳の先端が切れて無くなってしまったり、尻尾の先端が無くなって
しまったりということも起きます。

子犬が丸々と太っていなくて、ガリガリなんてことも実際には起きます。
母犬の年齢に関係なく、母犬だけが太って、胎児はガリガリなんてことも
あれば、母犬は細いのに、子犬は丸々としているケースもあります。


昔の人は、犬任せにしろだなんて言いますが、犬任せにしていてダメになる
ケースは多いです。夏に、暑いからと母子に扇風機を当てっぱなしにしておき
新生児全てを死なせるとか、エアコンも入れずに小屋のようなところに母子を
置いておき、熱中症で母子ともに死なせる・・・というケースも私がJCCに
居た頃には、起きていました。

また、下手に他人に手伝ってもらうと、ただでさえ緊張して不安がっている
母犬が余計に神経質になったりしますし、よほどお産に熟練した人でなければ、
返って足手まといになったりします。母犬のブリーダーさんに来てもらって
お産に臨んだのに、そのブリーダーさんが人工哺乳や難産の経験が全く無くて、
助かったかもしれない新生児達が命を落としたケースがコリーでもありました。

うちの場合、1999年の凪の胎の時に、たまたま母が様子を見に来たの
ですが、私が生まれた直後の新生児の処置をしている間、寝かせた凪の
お乳に当てていた子犬を見ていてくれ、凪が急に立ち上がらないように
凪の前肢を抑えていてくれと頼んだのに、お産で汚れた新聞紙やタオルを
片づけるのに夢中で、凪の前肢を放してしまい、そのせいで凪が急に立ち
上がった拍子に、先に生まれていた子犬が踏まれてしまったのです。
その時には、私はブチ切れました。それ以来、母には、お産の最中には、
犬舎の方には来るなと言っています。

◆↓は在りし日の凪ちゃん。ボーダーもどきと言われた非常に活発な子でした。
Nagiface


1994年に、それまでに動画でも生でも、1度も胎盤や羊水を見たことが
無いままに自分ひとりで私にとって2頭目のコリーであるサリーの出産に
臨んだのですから、今思えば、よく頑張ったなと思います。必死でしたね。
ただ、生まれて初めて経験したコリーのお産では死産や誤嚥性肺炎での途中
死亡はありましたが、自らが淘汰を決めねばならない新生児が居なかったの
だけは幸いでした。

↓は、3月1日に亡くなったターシャの2回目の出産の記録を残したファイル
なのですが、しばらくリンクを切って放置しておりましたが、11年ぶりに
リンクを貼ってみます。FANTASY系のAM-CHに交配して出産を
しましたが、セーブルタイプのグレイコリーが3頭生まれ、淘汰をしたので
4頭飼育になっています。

http://airwoman.if.tv/sinseijiwin02.html

当時は、アメリカの有名犬舎タータンサイド等の血液が入ったコリー
(日本のコリーの大半ですが)では、グレイコリーが誕生する可能性が
あるのだとは知らなかったので(生まれていても伏せるブリーダーばかり
ですから)、この先、ターシャやその子孫が産む子には毎度毎度、淘汰が
必要なグレイコリーが出るのだろうかと非常に悩み、跡継ぎとして犬舎に
残したかったセーブルのメスを諦め、繁殖をしない約束で一般の御家庭に
譲渡をしました。

結局、ターシャは、この数年後に1頭、ブランディとの間に死産でグレイ
コリーを生みましたが、その後の出産で、ターシャの娘たちもターシャも
グレイコリーを産むことはありませんでした。


◆↑のファイルを作成したころのターシャです。
Tasha

◆↓は子供たちと遊ぶブランディ。そういえば、ブランディの同胎の
AMーCHは、去年だったか一昨年だったかJCCのベストコリーに
なっていましたね。生で見たことがありますが、非常に美しい子です。


Brandy&pups




数年前、グレイコリーとは知らず、父犬が私が居たグループ犬舎の繁殖犬で
あったトライタイプのグレイコリーの画像をUPしているブリーダーが居て、
私の指摘に対し「遺伝子検査をしたが、グレイコリーではない」と言い張って
おりましたが、アメリカのグレイコリーを取り上げているサイトの画像と
照らし合わせれば、疑う余地はなく、また、私も遺伝子検査は過去に何度か
やったことがありますが、生まれた直後に検査機関に依頼をしても結果が
出るには相当な日数がかかるので、私が指摘した時点で結果が出ているはずは
ないのです。

http://www.pennylanecollies.net/GrayCollieSyndrome.html


タータンサイド、ファンタジー、日本の大手グループ犬舎その他、どの血統
からでもグレイコリーは生まれる可能性があります。素人の方が繁殖して
淘汰せずに生き残ったグレイコリーが関西に居たと聞いたことがありますが、
生涯にわたって大変な医療費がかかっただろうと思いますし、長くは生きて
いられなかったはずです。その素人繁殖家が、何も知らずに他人に販売して
いなくて良かったです。大変な売買上のトラブルになったはずですから。

淘汰は繁殖を続けて行く以上、避けることができないことです。突然変異的に、
脳障害のある子犬が産まれることもありますし、全盲の子が産まれることも、
うちではまだ経験が無いですが、耳の聞こえない子や口蓋裂の子が産まれる
こともあります。出産というのは、やはり幸せの種でもあり、不幸の種でも
あると思います。

どの子を生かし、どの子を死なせるかを決めるのはブリーダーです。神様でも
ない身で、その決断を迫られるのは辛いことですが、まさか一胎児丸ごとを
手元で育てることができるはずもないので、自分で決めるしかありません。


↑の2002年の記録を見ると、今と比べて随分と殺風景です。現在のうちの
子犬達、毎日、色々な遊具で遊びまわっています。欧米の訓練系のブリーダーの
動画などを見ていると、目が開く頃から、将来の警察犬、介助犬を想定しての
新生児トレーニングをしていますね。驚くばかりです。ですから、うちの今の
飼育方法のせいで、最近、譲渡した子犬たちが皆、お転婆ややんちゃ坊主で
あるけれどもとってもお利口・・・なのだろうと思います。


今朝、オーナーさんから頂いたメールには、またびっくり仰天のメリーちゃん
(ターシャとブランディの娘で、御主人の低血糖を知らせる子)のお手柄話が
書かれていました。

昨日、午前5時33分に起きた淡路島の大きな地震の際、兵庫県に住んでいる
メリーちゃんは、突然、地震発生前の未明の4時半に起き出して、御主人様の
お顔を激しく舐めて起こしたのだそうです。あまりに激しく舐められるので
御主人様は仕方なく着替えをし1階に降りたのだそうですが、その姿を見て
安心したメリーちゃんは2階に戻っていったそうです。

御主人様と奥様は、低血糖は起きていないのに、なんで起こしに来たのかと
不思議に思っていたら、直後にどーんと揺れが来たそうです。その揺れと
同時にメリーちゃんは2階から駆け下り、御主人様の元へ駆けつけ御主人の
顔を見て無事を確認し、そのあと、周囲を見回り、揺れが収まると、再び
自分の居場所である2階へと戻ったのだそうです。

御主人様が可愛がっていた亀の脱走も、御主人様の車に押し入ろうとしていた
車上荒らしもメリーちゃんが知らせましたが、地震発生の前の異変を察知して
知らせたのです。

犬の聴覚、それと、おそらく低周波や振動などを感知する感覚、そして、
それを御主人様に知らせて、守ろうとする性質、本当に素晴らしいものを
持っています。

このメリーちゃんは、プロの訓練士さんによる訓練は一切受けていませんし、
オーナーさん御夫妻はしつけ教室にも参加しておりません。
コリー本来の知能と性質の良さが、愛情豊かで、犬を全面的に信頼している
オーナー様御夫婦の元で花開いたのだろうと思います。

訓練競技やドッグショーでりっぱな成績を残す犬を繁殖することも名誉ですが、
私はメリーちゃんのような名犬ラッシーを彷彿とさせるコリーを自分の手で
取り上げ、育てることができたことを、本当にありがたく名誉なことだと
思っています。ボーダーもどきだったメリーちゃんの祖母の凪、美しい顔で
非常に優しい穏やかな気性だったヒューイ、そして一回り大きいオスでも
一撃で倒すほどの女傑だった母犬の女帝ターシャにも、ひょうきんで賢い
父犬のブランディにも感謝しています。


◆↓が亡くなったヒューイですが、私にとって、空港に迎えに行ってヒューイを
見た瞬間は衝撃でした。これが本当に美しい顔なんだと思いました。それまで
ショー会場で見ていたコリー達とは、まるっきり違っていました。アメリカの
非常に有名な種オスであるタリスマンの血液のベースになっているカナダの
アルフェンロック・マスターピースの子で、日本に入って来た2頭の直子の
うちの1頭です。


TexanConnection


メリーちゃんは、第63回PD日本チャンピオンである華ちゃんやうちにいる
脱走名人の福の父母犬同じの妹に当たります。
2月27日生まれと1月15日生まれの子犬たちの父犬の太郎は、福の息子、
つまりターシャの孫で、2胎の子犬たちの母犬達は共にメリーちゃんとは
父犬が同じの妹になりますので、今、犬舎で育てている子犬たちの中にも
メリーちゃんのような真に賢い、愛情あふれたコリーに育つ子が出てくる
だろうと思います。

◆↓は2006年5月15日生のメリーちゃん。もうじき7歳になります。

メリーちゃん



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