ラフコリー専門ブリーダーAIRWOMAN COLLIEShttp://airwoman.if.tv/2009年の10月生の子犬の仮予約を受付け中http://airwoman.if.tv/puppies.html=========================
ある流行りのトレーナーさんの合宿で、1頭の小型犬が
飼主さんや仲良くしていた仲良しワンコたちの居る前で
マズルをリードで締め、腹を見せさせる、“締め上げる”
という強制的な服従訓練を受けた後、それまで仲良く
遊んでいたワンコたちの態度が変化し、今までのように
一緒に遊べなくなり、非常に困った事態になっています。
奇しくもその知らせを受けた数日前に、うちでもそれに
似たような事件がありました。
先日、コンクリート・スペースに女帝ターシャとマイヤの
2頭だけをフリーの状態にして出しておいたら、大変な
ことになっていたのです。
犬達が騒ぎ始めたので、父母宅にでも来客があったの
だろう、そのうち収まるだろうと思って、Eメール書きに
勤しんでいたら、どういうわけかいつまでも騒ぎが収まる
気配がないるので、不審に思って、メール書きを中断し、
コンクリート・スペースに行ってみました。
すると、ターシャがマイヤに馬乗りになって咬みついていて、
マイヤの頭がターシャの唾液だらけになっていました。
普通は、運動場でバトルがあると、周囲の犬たちが参加
するので、1頭だけがいつまでもターシャの攻撃にあうことは
ないのですが、コンクリート・スペースで2頭だけを自由に
していて、しかも運動場へは逃げれない状態だったので、
興奮したターシャの叱責がいつまでも収まらなかったのです。
マイヤの頬に少し血痕がついていましたが、頻繁な咬みの
割には傷はなく、ターシャの歯茎から出た血のようでした。
つまり、マイヤが逆らわず、身を伏せて小さくなっていて、
ターシャも咬み加減自体は、それなりの加減をして咬んで
いたので、怪我と言えるほどの怪我は、マイヤの身体の
どこにもなかったのですが、ターシャの一方的な激しい
吠えや咬みつきの様子を、長い時間、目の当たりにした
ケージやバリケンの中の犬達が大騒ぎをしていたのです。
温厚なマイヤがターシャに攻撃された理由は、場所取り
または外来者への吠え方に問題があったのでしょう。
今回、注目すべきだったのは、叱責の理由ではなく、
ターシャに激しく叱責された後のマイヤに対する他の
犬達の行動なのです。マイヤが近づくと、騒ぎを傍観
していた犬たちが興奮し、緊張状態になるのです。
そして、あるものは、マイヤに対して攻撃的な態度に
出たり、激しく吠えたりしました。
マイヤより下位の若い犬達までもがです。いえ、若い
1歳の犬達の方にむしろ影響が強く出ました。
前にも書いたように、マイヤが発した恐怖物質が身体に
ついていて、それを嗅いだので興奮したのでしょう。
が、それだけでもないのです。
というのは、コンクリート・スペースが見えない部屋にいて、
マイヤがターシャに攻撃されているのが見えなかった
犬達は、騒ぎが収まった後でマイヤに接すると、普段とは
異なる緊張した反応をしましたが、直に見ていた犬たちの
ような強い興奮や攻撃的な態度は見られなかったのです。
ここで、最初に書いた流行りのトレーナー主催の合宿で
締め上げられた小型犬に話を戻します。
他の犬達、特に仲良しのワンコたちが居る前で、1頭の
犬を過度に叱ることにより、マイヤとマイヤの様子を見た
うちの若い犬達に起きたのと同じことが、トレーナーに
締め上げられた小型犬と、その様子を見ていた仲良しの
ワンコたちに起きたのだと思います。
それまでお友達レベルで仲よくしてたワンコ達の間に、
上位を誇示する意識と下位の者への攻撃性が生じて
しまったのではないかと思われます。
また、締め上げられた犬自身に“身構える”という態度が
顕著になるので、そのことで余計に他の犬達が緊張し、
益々、マウンティングや吠え等の行動が激しくなって
しまうのだろうと思います。
ターシャがマイヤに対して行った叱責行動は、流行りの
トレーナーが行うような、仰向け腹見せでもなければ、
リードによるマズルの締めでもありません。
背中に乗り、首の皮膚を咬んで抑え込み、頭部その他を
出血しない程度の牙の入れ方で、何度も激しく咬むという
ものです。
ですから、頭中、ヨダレだらけになったとはいえ、マイヤは、
合宿参加の小型犬が流行りのトレーナーに感じたほどの
恐怖心は持たなかったはずです。いくら怖くてもターシャは
日頃見慣れた家族であるボス犬ですし、群れの上位者と
してのそれなりの手加減がターシャにはあります。でも、
様子を見ていた他の犬たちの態度には変化が現れました。
一緒に暮らしているわけでもないトレーナーに、他の犬達が
居る前で無理やり腹見せを強要された小型犬の恐怖心が
どれほど大きいものであったか、心に付いた傷がどれほど
深いものであったか、その犬の交友関係に与えた影響が
どれほど深刻であったのかを、当のトレーナーは知りません。
現在、その締め上げられた小型犬は、私の友人達によって
リハビリ訓練というか、心のリハビリ治療を受けています。
近頃、NETの悩み相談などを見ていると、このような懐の
浅いトレーナー達の指導によって、自分の犬達を委縮させ
犬達から大らかさを奪い取り、犬との関係を悪くしている
飼主さんが多いように思います。
“子犬を許容する前に、子犬に服従を強いる”、“子犬と
遊んで親和する前に、コマンドを教え込もうとする”
飼主さんがやたらと多くて、“精神的なゆとり”や“親的な
度量”を感じることができません。
うちのサイト開設の頃ですから、7年くらい前に書いたの
ですが、うちの近所に知的障害者の“かっちゃん”という
還暦を過ぎたオジサンがいます。近所の人は親しみを
込め、かっちゃんと言い、小学生の男子に対するように
接します。
かっちゃんは、いつもノーリード状態のシェルティ2頭を
連れ歩いていました。交通量の多い道路の脇を通っても
広場を通っても、農道を通っても、必ずシェルティ2頭は、
かっちゃんについて行きましたし、散歩中の他所の犬に
吠えつくことはありませんでした。
かっちゃんが、「○○ちゃん、帰るよ」と話しかけると、
夢中で地面の匂いを嗅いでいたシェルティも顔を上げて、
素直にかっちゃんについて行きました。
かっちゃんは文字が読めない人ですから、訓練のくの字も
知りませんし、服従の意味すら理解しません。
でも、犬達はいつでもノーリードでかっちゃんの後をついて
歩き、決して逆らうことをしませんでした。
かっちゃんが行っていた事は、かっちゃんのお母さんが
かつて他の子供より知能が劣るかっちゃんに語りかけ、
注意を促したのと同じような調子で、落ち着いて犬達に
注意を促し、語りかけ、私達ブリーダーが、生後30日
以前の子犬に対して行うような接し方で、幼い時期に
遊んでやっただけです。
私たちブリーダーが知性が目覚め始める時期の赤ちゃんに
対して行う遊びは、ボールや玩具を使ったルール性のある
遊びではありません。
子犬を抱き、転がし、故意に手指を噛ませ、自分の身体、
手の指や足の指を動かして、それに対する子犬の反応を
楽しみ、大きく動かしたり、小さく動かしたり、時には動きを
止めたりして、子犬の好奇心を刺激し、反応に同調して、
それを楽しむのです。母犬が子犬に対してするように、
そして同胎の子犬同士がするように、互いに触れること
自体を、子犬と一緒に居ること自体をブリーダー自らが
楽しむのです。
子犬の傍で寝っ転がり、子犬の目の前に私の頭が来る
ようにすると、子犬というのは必ず、人の髪の毛にじゃれて
きます。髪の毛を噛み噛みして一生懸命遊びます。私は
時々、子犬を頭の傍から引き離し、胸に抱きます。すると、
子犬は私の髪の毛と遊びたくて、もがきます。少し抱っこを
しておき、すぐ離してやります。子犬は髪の毛に突進します。
それを繰り返して子犬と遊びます。
子犬の傍で足を投げ出して座ります。子犬の眼の前に私の
ソックスを履いた足指が来ると、子犬は私の指に噛みついて
きます。そこで私は指を動かします。子犬は益々、興奮して、
私の足指を相手にプロレスをしようとします。私は、足指を
大きく動かしたり、踵を浮かせたりして、子犬と私の足との
プロレスを楽しみます。
子犬が育ってきて、少々荒い動きに耐えれるような身体に
なれば、足を大きく動かして、子犬に柔道のような“投げ”を
行います。子犬はコロリと転がった後、本気モードで私の
足に食らい付いてきます。
その時、もしも子犬が生後50日くらいであり、十分に知性が
発達していて、また、咬み方が度を越していれば、そこで
初めて、ボス犬のターシャが行うように子犬の首根っこを
掴んで止めさせ、ダメとかノーと言いながら、叱るように
します。
ですが、子犬の度を越した咬み方というのは、唸りながら
咥えて首を振るほどの激しいものであり、皮膚が裂けて
出血し、我慢できずに思わず手足を引っ込めてしまう程の
強さがある場合です。
生後40日に満たないくらいの幼い子犬の荒っぽい咬みは、
たとえ少々の出血があっても、私は許容していますし、
母犬も逃げるだけで、叱ることをしていません。
子犬の口は、人の手にあたり、子犬は、その“手の代替品
である”口を使って、私という人間も含めた自分の回りの
世界を理解しようとしているからです。
手足に乳歯による細かい傷のついていないブリーダーは、
子犬の遊び方が下手な、あるいは子犬をかまってやらない
愛情の薄いブリーダーだと言っても良いと思います。
動物を理解し、動物と遊ぶ天才であるムツゴロウ氏が、
手の指その他を猛獣との遊びの最中に失っていることは
一般視聴者には知られていませんが、有名な話です。
真剣に大型獣と遊んでいると、悪気がなくても体格差や
牙や爪の鋭さから、そうなってしまいます。
◆◆◆(注)ムツゴロウ氏が猛獣に好かれるのは、たとえ
指を食いちぎられても恐怖を感じないからです。動物、特に
野生動物は、相手の恐怖を感じ取ると自分も恐怖を感じ、
一瞬にして恐怖から攻撃へと転じる場合があります。◆◆
飼主さんが、迎え入れてすぐの初対面の子犬に何かを
教え込もうとするのは間違っているように思います。
手足に出血直前の傷がつくほどに自分の身体を使って
子犬と遊んでやった後で教え始めてこそ、子犬の心に
本当の意味での服従心も愛情も育つのではないかと
思います。
甘やかしの直前まで許容して見守り、ここぞというところ
でだけ、ターシャのようなボス犬が自分の群れ(家族)の
下位の犬を叱るような方法で、道具を使わず強い調子で
叱って欲しいと思います。
手足に傷も作らず、服従だけ強いるような、懐の浅い、
度量の小さい飼主さんにはならないようにして下さい。
また、親和以前に、ボス犬も行わないほどの行き過ぎた
服従を他の犬達の前で強いるトレーナーの教えを乞う
ことは、弊害が大き過ぎるので、即刻止めた方が良いと
思います。
おそらく、そのトレーナーは、犬が自分に逆らうことが
怖いのです。怖いから先に犬を攻撃して、逆らえない
ようにしようとするのです。あたかも他者への恐怖心が
強くて、自分の精神的な許容範囲が狭く、ちょっとした
ことで他者を攻撃しようとする犯罪者心理と似ています。
どうか御自分の愛犬に対しては、ぎりぎりまで許容し、
犬が自己主張を遠慮がちにできる程度までの自由を
認めてやり包み込むような愛情をかけてやってほしいと
思います。
犬を怖がる許容力の小さいトレーナー達により、過度な
強制訓練を受けた犬たちは、可愛らしい遠慮がちな
自己主張も消え失せて、ロボット犬のような表現力の
乏しい犬、飼主さんには何も訴えて来ない犬になって
しまうでしょう。本当に幸せで共に暮らして楽しい犬は
委縮した服従ロボットではなく、かっちゃんに育てられた
シェルティたちのような犬だと思います。
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